ショパンの楽譜〜エキエル版
ショパンの楽譜というと、パデレフスキー版が一般的。
大抵、音大生位のレヴェルになるとみんなパデレフスキー版を買うようにと指示を受けるとおもう。
ショパンのエチュードなんかは、たとえばコルトー版なんかは、面白い練習方法まで載せてあり、中々役立つのでこのコルトー版を使っている学生さんも多いとおもうけれどね。(私もその一人でした)
あのコルトーの練習方法には、かなり悩まされた一人です・・・
さてさて、ショパンの弟子という人が多くの版を残しているので沢山ある中でも、このパデレフスキー版は、言うまでもなく、ポーランドの首相にまでなったピアニスト、パデレフスキーがポーランドのショパン研究所と一緒に校訂したもの。いわば国家事業だったんですね。
今まで一番信頼を受けてきた版であり、多くのピアニストもコンサート、レコーディングにおいてこの版を使用している。
ところが・・・
実際、学生時代、私が英国王立音楽院でレッスンを数回、マスタークラスでもお世話になったドミニク・メルレ氏も、装飾音については、あまり認めないようなことを仰っていた。
もちろん、パデレフスキー版は、良い版であるけれども、
今、新しい版が研究されていてそのうちに出るよと。
これ、10年以上前の話です。

やだ、歳バレちゃうじゃん・・
この新しい版というのが、ヤン・エキエル版である。
この版は、パデレフスキー版にやはりまだ問題があるとみたポーランド国家評議会がピアニスト・エキエルと一緒にショパン生誕150周年記念国家事業としてはじめた研究で、実は今も進められている。
2005年には、このエキエル版がショパンコンクールの推薦版とされているくらい。
で、ようやく先月、私もまずはノクターンとソナタをゲット。
早速ノクターンは、数曲パデレフスキーと見比べながら見ているのだけれども面白い!

フレーズ、音に始まり、色々と違う点はあるんです。
そして付録のPerformance Commentaryが、これがショパンの弟子の版などあらゆる版を原版と見比べて校訂されていることをちゃんと教えてくれる。
ちょっと研究資料っぽい感じがしないこともないけれども、指遣いは、私には、納得しちゃうところがかなりあり!
自分が勝手にパデレフスキー版で直して使っていた自分のバージョン、これがちゃんとプリントされているんだもの。やっぱりショパンの指使いこれって近かったんだ!
とちょっと感激。
ショパンの運指って本当にピアニスティックというイメージが私には強い。とにかく美しい!
美しい運指は、美しいフレーズ、アーティキュレーションを生んでくれると信じておりますが、この運指ほどやっかいなものはない。
何年も前に弾いた曲で、再び弾いてみると、
「なぜ自分は、こんな指使いを使っていたんだあ?」
となることも多々あるし、そうでなくとも、運指を変えるだけで、全然音楽的に表現が変わるため、私は、結構拘るタイプ。
まだまだこの版を使っている人にはあまりお見かけしないので、きっとこれから普及していく版だとおもいますが、バラード、スケルツオをはじめ、ちょっと揃えていきたいとおもっています。
楽譜屋さんに行くと、毎回ものすごい買い物をしてしまう私・・・
家の楽譜の量、半端じゃあ、ないんです・・
バッハ、ベートーヴェンなんていったら同じ楽譜が違う版で何冊もあるし・・
かなりマニアックかもしれんが・・私のたった一つの資産だったりする。
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