エキセントリックな指揮者? 

ロンドンの今日の天気 晴れのち氷雨、そして晴れ、でもってまたまた氷雨

      

今日は、指揮者のDarrell Davison氏が、土曜日のコンサートの前に打ち合わせに朝いらっしゃいました。

この方、私が住んでいるCroydonに住んでいることもあり、お会いしたことは過去にも何回かありました。それに、私の恩師、Piers Laneからもよく話は聞いていたのですが・・

いやあ、エキセントリックとはまさにこの人のような人、っていう感じでした。


クリント・イーストウッドを思わせる革の帽子を夏でもなんでもかぶっているんですが、今朝も玄関に現れた彼の頭には、このお帽子。

到着して、まあ、普通に挨拶をして、来てくださったことを感謝して、2台ピアノのある部屋に案内すると、最初の言葉。

「あ、鉛筆、どこかやっちゃった。耳のかけていたんだけど。」

あの〜、まだ帽子かぶっていらしゃるから、その中にあるのでは?

とは、言えませんでした、私。

案の定、帽子をとった彼の左耳には、ちゃんと赤い鉛筆が乗っかっています。

でも、まだ、言えない私とパートナーのJ。

早速土曜日の演奏会の流れについて、話だす。お茶をすすめる時間さえ、ない・・

と、話ながら、左耳にふと手をやった彼は、

「おお、やっぱりあたよ!」

って教えてあげようとおもったんだけどなあ・・間に合わなかったよー。

土曜日の演奏会は、子どもたちのためのファミリーコンサート。

子供たちが興味を弾くように、彼が曲の説明を入れていくのは、もちろん、「動物の謝肉祭」もナレーション付きで行うらしい。

そのほか、私たちは、ドビュッシーの「海」の一部分をちょっと弾くほか、ドヴォルザークのスラブ舞曲も演奏することになっている。

ピアノの位置をどうするか、3人でしばらく話し合う。2台のピアノをどこに置くかは、本当にこの曲の問題なのだ。何度弾いても、どうもしっくりくるポジションがあまりない。ピアノに隠れて、他の楽器がみえなくなってしまうと、こどもたちへ折角の楽器紹介のチャンスを失ってしまうというわけである。

子供はなんといってもビジュアルに敏感だから、どうしても演奏者の掛け合いにしても、いろいろビジュアルに工夫する必要性はある。

結局、私たちは、2台のピアノを通常よりも引き離すことに決める。法律で、演奏会中に、ステージの台を下げたり上げたりするのは、ダメだとか。残念だ。

さて、早速サン・サーンスの「動物の〜」にとりかかる。

イントロから始まりライオン、雌鶏と雄鶏、騾馬、亀、象、カンガルー、水族館・・・と続くのであるが、その曲間にナレーションが入るのである。

それを読みだした彼は、突如、

「水が必要だ、うん、キッチン、こっちだよね、わかるわか・・・」

と文章を終えぬうちに、もうすでに部屋を出て行ってしまったではないか。

慌てて追うと、ちゃんとキッチンの方向に駆け込んでいて、私がキッチンに入ったときには、なんと蛇口から水を飲んでいた!

え、え、蛇口から??

「コップ・・よかったら、どうぞ」

その後、リハーサルは、この調子で、スムースに行った。

「ピアニスト」というのがこの「動物の〜」には、動物に混じって入っていて、これは、下手はピアニスト二人が、はじめは、救いようもないほど、下手なのだが、だんだんマシになるっていう設定。

これをどこまで演技するかはアーティストにかかっているわけです。

これをいかに下手に弾くか、これも技の一つというわけで、氏からいくつか良いアドヴァイスを受けた。

何度か演奏しているものの、今日のDavison氏のアドヴァイスは、すごくリアルで、土曜日が楽しみ。

エキセントリックな氏だからこそ、かもしれない。

しかし、蛇口から口をガーっと開けて水を飲む氏の写真、撮りたかった。。